2004-05-30 源博雅 玄象なる名器を鬼に盗まれた博雅は、羅生門でその音色から鬼が玄象を弾いていることを知る。そして、その音色を褒める。すると鬼は琵琶を返したという。ここで鬼に「琵琶を返せ!」と言っていないところに妙がある。無心の感動が共有されたのである。無心の感動を忘れた博雅から琵琶は失われた〜琵琶の美しい音色が失われた。それを取り戻せたのは、無心の感動を再び取り戻せたからである。長い修業の間には、こうしたことはよくあることである。