師の授けるもの

師が授けられるのは伝承されてきた知識である。これを活かすには弟子の功が求められる。師は弟子を門前まで導くとされる所以である。準備ができれば師は自然に現れるとされるのは、実は本当に「師」として接することができるのは準備が整ってから、という意味なのである。それまでは形式的に師弟の関係を持ってはいても、本当の意味での「師」「弟」となってはいないのである。